2013年2月21日木曜日

異生物“ガストレア”に敗れた絶望の近未来。「放課後ライトノベル」第105回は『ブラック・ブレット』で滅

?日間,ガストレアの侵入を阻止せよ」。ここに,柧━ē辚ⅳ蚊\を賭けた「第三次柧┗釕椤?/strong>が幕を開ける。  この期に及んでなお反目しあう自衛隊と民警。絶望的な未来を前に暴走する民衆。目前に迫る敵の圧倒的な物量。そんな中,蓮太郎は隊内の規律を乱した責を問われ,たった一人でガストレアがたむろするエリア外へと放逐される……。周囲のありとあらゆる物事が蓮太郎たちの意気をくじき,敗北という闇の中へ叩き落とそうとする。そこにあるのは,「苦戦」などという言葉では生ぬるい,文字どおりの地獄だ。屍山血河を踏みしめながら,引鉄を引き続ける蓮太郎の姿が,読み進める手を途中で止めることを許してくれない。  終わらない悪夢がないように,死闘にもいつかは終わりのときが来る。だがそこで待っているのは,ugg 偽物,爽やかとはとても言い難い,苦い結末だ。望まずして英雄に祭り上げられる蓮太郎。癒されることのない木更の妄執。そして,刻一刻と迫る延珠の身体の限界点……。無数の謎と不穏な空気を孕みながら,物語はさらに先へと続いていく。  希望と呼べるものはいくらもない。目の前に立ちこめるのは,一寸先すら見えない暗雲。しかし,だからこそ,誰もがその先に幸福な未来が生まれると願わずにはいられない。『ブラック?ブレット』とは,そんな滅びと希望の物語なのだ。 ■ガストレアじゃなくても分かる,神崎紫電作品 『マージナル』(著者:神崎紫電,イラスト:kyo/ガガガ文庫)  ライトノベルでは,ほとんどのレーベルが新人作家を発掘する場として新人賞を開催している。各レーベルを支えるのはそこから輩出された生え抜きの作家がほとんどであり,ほかのレーベルからデビューした作家を招き入れる割合は比較的少ない。わけても電撃文庫はとくにそうした例が少ない傾向にあるが,『ブラック?ブレット』の著者,神崎紫電はその数少ない例外の一人である。  神崎紫電は1985年8月生まれ,ブーツ,北海道出身。デビュー作はガガガ文庫『マージナル』。小学館ライトノベル大賞の,栄えある第1回の大賞受賞作であり,2007年5月に創刊されたガガガ文庫の創刊ラインナップの一角を担った。  殺人や拷問を嗜好する者たちが集まるアングラサイトの管理人という裏の顔を持つ,高校2年生の摩弥京也。ある日,彼のクラスメイトが町で起こっている連続バラバラ殺人事件の犠牲となる。あるきっかけから犯人に命を狙われることになった京也は,殺されたクラスメイトの妹と共に,犯人と対決しようとする……
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